ライン交換したガールズバーのキャスト
H.N/みやもと
終電はまだあったのだが、どうせなら遊んでから始発で帰った方が得策なのではと思い直し、遊べる店を探していたんだ。
疲れていたので風俗系のお店はNG。候補として上がった業種は、ガールズバー、コンカフェ、満喫などなど。しかし、やっぱりお酒が絡んだ方が楽しめるだろうと思い今回はガールズバーを選ぶことにしたんだ。
正直コンカフェとガールズバーの違いもあまり分かっていないのだが、繁華街にガールズバーがひしめき合っている場所があったことを思い出し、さてそこで時間をつぶすかって運びになったわけ。
因みにキャバクラもよく通っているのだが、正直ケバい女ばかりで周囲がうるさすぎ集中して飲めないので、一人飲みには適切ではないわな。
いろいろと客引きしている女の子も多くて、これは違法ではないのかと心配になるのだが、まあ大丈夫なのだろう。そこまでかわいいというかタイプの女の子はいなかったが、性格がよさそうな子が控えめに宣伝していたので、その子にお店のシステムを聞いてみることにした。
その辺の飲み屋と同じく飲み放題。とりあえずビールがあれば飯も食える派なので、もうここでいっか！と入店する。
キャバクラだとギラギラの店内がデフォになるが、この手のガールズバーはいろいろコンセプトがあるじゃないか。でも想像していたのとは異なる古き良き酒場みたいな内装で、意外と落ち着いて飲める環境だったのはよかったな。疲れていたので尖ったコンセプトの店じゃなくて安心したのを覚えているよ。
案内してくれた子は俺を店内に連れて行くとそそくさ外に戻ってしまったが、夜も遅いからかリーマン風の男が二人と三人の女の子が店内にいるだけ。ここで大学生グループとかいると、全く酒も楽しめないのでホッと一息。
ガールズバーは接待がNGというが、正直どのへんまでがOKでどこからNGなのかはよくわからない。
接客してくれたA子ちゃんは、どうだろう、そこまでルックスはよくないのだがそれでもモテるタイプの子だと思う。ようするに愛嬌があってコミュ力が抜群なのだ。風俗でも飲み屋でも、やはりコミュニケーションスキルが秀でた子は人気になる。
俺はもちろんビールをオーダー。入店間もないというA子ちゃんは、ダイレクトに伝えてこないがやはり奢りのドリンクは必須だわな。何が飲みたい？と聞くと、即答で「緑茶がいいです！ありがとうございます！」だって。
お酒は得意不得意というレベルではなく、顔が真っ赤になりアレルギー反応？が出てしまうため、原則頂かないことにしているという。そりゃそうだ、命に関わるからな。
なんでも彼女は大学を卒業して新卒で働いた企業で陰湿な嫌がらせに遭い退職、派遣先でフラッシュバックに苦しみ、全く違う環境に身を置こうとガールズバーで働くことにしたそうだ。
若いのに苦労していて……と思わずほろりで、もっと緑茶飲んで！と頼まれてもいないのに、5杯キャストドリンクをオーダーしてもうた。
深夜だし本当は少しばかりのエロ話ができればと思っていたんだが、そんな雰囲気ではなく、A子ちゃんを徹底フォロー。
したら他のリーマン客も俺たちの会話が気になったのか、「そんな奴らがいる会社は辞めて正解！空気を読むのが上手いからこの仕事凄くあっているよ！」と褒めちぎっていたな。
なんだかんだA子ちゃんの身の上話中心に盛り上がってしまったが、「こんな励ましてくれるお客さんたちにめぐり会えて幸せです！」なんて涙ぐんでいたよ。
ちょっと思わぬ展開になったが、そこで知り合ったお客が同業の仕事をしていることが判明。業界内のアレコレで盛り上がり、上司の愚痴を言い合い、今でもちょこちょこ飲みに行くような仲になった。
本当に偶然だよな！結局三時間くらい滞在してしまい、気前よくドリンクを奢ってしまったこともあり、キャバクラで遊ぶのと同じくらいの出費になってしまったが、結果楽しめたし問題なし。
A子ちゃんについてはやっぱり気になってしまい、ライン交換をせがんでしまった。流石に一回の飲みで図々しくメールをするのもあれだし、食事に誘うのもちょっと。下心丸出しのパパ活みたいじゃないか。
でも、今度あのリーマンたちとお店に行く予定なので、〇〇日出勤している？と来週あたりメッセージを送ってみるつもりだ。
ブロックされないか心配だが、もっと通って信頼関係を構築したらちょっとお茶でもしたいかな、やっぱりそれが本音なんだよな。
