人気が出て欲しくない!ガールズバーにハマった
H.N/それがし
僕は外回りの営業の仕事をしているのですが、少ないチームメンバーながらも仲が良く、ちょっとした雑談の時も業務の話のみならず異性の話題でも大変盛り上がりします。
特に親しいのは営業課長なのですが、彼は仕事をしているときは対顧客の営業ロールプレイングでの指導が的確で、頼れる上司です。
一方、女性には目がない形で下ネタも多いのでキャラはユニーク。よって、飲みに行くことだって少なくありません。
前にその上司と飲みに行ったとき「お前はお姉ちゃんがいる店には飲みに行かないの?いい店が結構あるよ」と言われました。
でも僕は「いや、色んなお店があるのは知っていますが、夜の店はキャッチや黒服の人が生理的に受け付けなくて」と返したのです。
すると「違う、偏見があると思う。勘違いしているところが見られるし、一回俺と実際に行ってみるか?」と言われました。
ですが、僕の希望は所謂キャバクラ・ラウンジと名が付くところではありません。またしても偏見ですが、キャバクラ等に行くと貢がされるイメージが拭えないのです。
一抹の不安も打ち明けると「うん、わかった!お前にピッタリなのはガールズバーだな」と先輩は瞬時に回転の早い頭で判断。
積もる話をしているうちに2時間も長居していたので、翌週にガールズバーへ行くことを約束して解散しました。
不安を残しつつも当日。この日は先輩がお店選びもしてくれていたので、目的のガールズバーまで緊張しながらついて行きました。そうしてたどり着いたのはビルの上層階にあるお店。
先輩はどんなお店を選んだのだろうと思い、入ってみると驚愕!スナックと似たようなところか、あるいは大学生が着るような普段着ファッションのお店と考えていたのですが、結構なセクシー具合です。
どうやら、セクシーコスチュームを着た女の子と話せるガールズバーだったようです。
小声で「先輩!エッチな店じゃないですよね?大丈夫ですか?」と不安になる僕に「大丈夫って言ったじゃない、問題ないからまあゆっくりしよう」と先輩は常に平常心。
カウンターに着席すると、僕たちに付いてくれる子がさっそくトコトコと歩いて来ました。
和装コスプレ風のYちゃんは髪は黒髪ロングで、毛先が金色になっている言わばイマドキの子。胸元がV字になっていて大胆な谷間が見えるコスチュームを身に纏っています。
僕がガチガチに緊張していると「緊張しています?まずは1杯飲みましょう」と、リードしてくれました。
ちなみにシステムは、フリーセットというらしい60分の飲み放題で3,000円。他店の相場は当然まったく知らないため、意外と安くて驚いたのを鮮明に覚えています。
僕はビールだけじゃなくて焼酎も飲むのですが、飲み放題に入っていてラッキー。
先輩はというと、髪が銀髪のまるでコミケのコスプレ会場に居そうな美少女とのトークに没頭していましたね。
そして、僕についてくれたYちゃんは、お金をもっと貯めて世界を何周も廻りたい目標があるのだと話してくれました。
22歳で僕より2つも年下なのに、もうすでに東南アジアのタイ・ベトナムに行ったことがあると言い、カントリートークにも華が咲きます。
そうして、僕のガールズバーに対する偏見もなくなりました。若さあまって接客力が悪いイメージがあったのですが、ハッキリいって皆無です。
仕事の話だって、僕の営業の仕事なんて華やかな接客業の女の子からしたら興味もへったくれもない内容と思うのですが、きちんとトークに付き合ってくれました。
嬉しかったのは、僕が仕事の悩みを打ち明けたときのことです。
お得意様で高圧的な態度を取る方がいて、ストレスになっていることを話したのですが、「それがしさんの仕事って絶対に必要なものだと思うし、継続できているのは偉いよ」とYちゃんは僕を褒めてくれました。
たったそれだけで報われた気がして、じーんときましたね(笑)
そうしてタイムアップが近づいてきたのですが、延長料金を聞くと割高ではなかったですね。30分1,500円という格安料金だったので「先輩!延長していいですか?」と聞いたら「う、うん俺はOKだけど」と了承を得て楽しい延長のひと時がスタート。
Yちゃんは金・土に出勤しているとのことで、土日休みの僕はまた来る楽しみができました。ただ先輩からは「最初は袖にしていたのに、お前の方がガールズバーにハマりそうだな」と苦笑いされました。
僕と同じようにもしガールズバーに偏見を持つ人がいるなら、固定観念を取っ払ってみるのもおすすめですよ。