人気が出て欲しくない!ガールズバーにハマった
H.N/裕司
性格が内向的な僕は、高校卒業後に工場に就職した趣味も少ない男です。接客業や営業などはできる自信がなくて、簡単な作業の仕事が良いと就いたものの、業務は面白みが全くありません。
最初は叱られ、のけ者にもされ四苦八苦していましたが、勤続年数が長くなりようやく気持ちにもゆとりが持てるようになりました。
とはいえ趣味はギターを弾く、人だかりが少ないスポットへ写真を撮りに行くという、これまた社交性がないものばかり。
当然、友達もわずかしかいないため合コンも行く機会がなく、出会いもありません。となると自分のライフスタイルには女っ気が全然ないなと危惧し、かつ寂しさにも襲われる始末です。
どうにか、心のスキマを埋めるものはないか試行錯誤を続けていたところ、ネット情報によるとガールズバーが良いという投稿が見られました。
1人で行けるうえに居心地も悪くないという情報が、自分にとって刺さった形でしょうか。1人でも楽しめるのが本当なら、行ってみようかなという感情が芽生えます。
ガールズバーの探し方ですが、盛り場の無料案内所に行けばガールズバー初心者でも、お店まで店員さんにエスコートしてもらえるそうです。
無料といっても、変なお店に案内されたらどうしようという不安があったので、僕はネットリサーチを元に探そうと決めました。
ガールズバーのお店は、想定よりも多く検索で出てきました。ちなみに僕は新宿区住まいですが、歌舞伎町はキャッチに引っかかりそうなので却下。
また、バニーガールコスのお店もありましたが、コスプレが主体だと気を張ってしまいそうなので、やや検索は難航。
そして、良いかな?と思えたのがコンサバティブ、服装が普通な感じのガールズバーです。そのお店にしようと決めた僕は、休みの日にお店へTEL。
週末がやはり忙しいようですが、工場勤務は交代制につき平日が休みなので問題なし。
そうして行ってみると、インテリアマガジンに掲載されていそうな、おしゃれ空間が広がっていました。ウッド調で統一した白と茶色の店内で、植物・リーフの造花も配置されおりナチュラルな空気感が居心地がいいです。
ガールズバースタッフもドレスじゃなくて普段着っぽくて僕の好みにマッチしています。加えて、カウンターが10席弱あり、お一人様が行くのにうってつけじゃないですか。
僕についてくれた子は、ストレートな黒髪で目の大きなMちゃん。「1人なのに悪いね」というと「お一人のお客様は多いから、全然気にしなくていいですよ」と明るい対応でホッとしました。
ネイルが凝っていたので褒めてあげるとご機嫌で、まだ20代前半にもかかわらず愛嬌たっぷりで行儀作法もバッチリ。
1セット50分で3,000円、さらに飲み放題がついていたので僕はお酒の力を借り、トークを頑張ろうと意思を固めます。
ビールを飲み緊張もほぐれてきたら「最初は緊張している風に見えたけど、お兄さんとのトークは面白いな」と、ヒーリングされているくらい心地良い時間が僕を包みます。
続いて話した内容ですが、Mちゃんはお寿司が好きなようで、僕も同じく好きということでグルメの話にも華が咲きました。
「料理はするの?」というMちゃんの問いかけに「イタリアンと基本的な和食なら一人暮らしだから結構作るよ」と返せば「食べてみたーい」とノリノリでこっちも楽しくなります。
ただ、彼女がダンスをすると言ったのですが、DJやクラブミュージックの話題になったときはついていけませんでした。
ですが「聞いてみて、すごく良いしストレス発散にもなるよ」と聞き、趣味を増やしてみたいという感情も呼び起こしてくれたので感謝しかありません。
話を続けていたらガールズドリンクという、Mちゃんからの飲み物のおねだりもあり、一杯1000円でしたが、もともとセットが50分で3,000円と安かったので、全然気にせずリクエストに応じました。
なお、ダーツとカラオケもあるガールズバーでしたが、僕はダーツに興味がないものの歌は好きです。なので歌える曲も見つけて歌ってみたいですね。
もちろん、リピートをしたいなと思い「来月また来るね」と言い、お店を後にしました。帰り道は楽しかった余韻が残り、来月じゃなくて2週間後くらいに行くって言えば良かったかなというのが本音です。
大満足した僕は、ガールズバー通いも趣味の1つにしてみたくなりました。