天国から地獄!ガールズバーで女心の不思議を学ぶ!
H.N/空気が全然読めないマン
私は新潟在住の35歳、某大手企業の新潟支社に勤務する独身男です。大学を卒業してから現在に至るまでひたすら仕事一筋だったので、会社の中でもそれなりのポジションに登りつめました。
私に言い寄ってくる女性も結構いましたが、そんな女性陣には目もくれずとにかく仕事一筋で来たため、気付いたらサッパリ女っ気のない人生を送っていることに気付き、ある日突然虚しくなったのです。
そんな心の隙間を埋めようと、出会い系もいくつか試しましたが、どうにもうまくいかず虚しさはさらに膨らみました。
そんなある日、週末の街中をあてもなくフラフラしていると、とあるガールズバーの看板が目に入ったのです。
私はそれほどお酒を飲みませんが、たまには気分転換もよいだろうと入店を決意。
いざお店に入ると、店の中には煌びやかな衣装に身を包んだ美しい女の子がワンサカといるではありませんか。
「世の中にはこんな世界が存在するのか!」とド肝を抜かれ、すっかり舞い上がった私は毎週そのお店に通いつづけ、いろいろな女の子とくだらない話をするようになりました。
その中に、22歳のパル子ちゃんがいたのです。店内でも「歌姫」とあだ名が付くほど、カラオケが上手な彼女。
美しい歌声で、私の世代が懐かしくなるような歌を熱唱してくれるので、青春時代を思い出しては心地よい気分にさせてくれるのです。
恐らく、会話テクニックにはあまり自信がないのでしょう。会話が下手な分、ひたすら歌でごまかしているようにも思えました。
しかし、時折顔を出すぶっきらぼうでぎこちのない会話も、素朴で心地よく感じるのは不思議なものです。
そんな日々が10か月ほど続いたある日の出来事。例によっていろいろと歌ってくれるパル子ちゃんでしたが、一貫してラブソング、しかも告白系ソングばかり歌ってくれるではありませんか。
「これは、もしかして…」と何となく察知した私は思い切って、「もしかして、俺に告白してる?」とふざけ半分で彼女に質問。
「う~ん、どうだろう…」と、否定するでも肯定するでもないような、お茶を濁したような返答が返ってきます。
そんな彼女のいじらしい仕草に、すっかり撃ち抜かれてしまった私は思い切って、「来週カラオケにでも行かない?」と切り出しました。やや時間をおいて、まごまごしながら「OK」との返事が。
後日、待ちあわせ場所に現れた彼女は、どうみても気合十分な服装とメイクなので、ますます「これはいけるかも…」との確信を深めます。
いきなりカラオケをするのも色気がないので、ちょっと高めのレストランで食事をし、例によってぎこちない会話を楽しみ、2時間ほどでカラオケへ。
さすがは歌姫。カラオケのレパートリーがハンパではなく、さながら彼女のプチコンサート状態でしたが、とある曲を歌いだした途端、泣き出してしまい私もビックリ。
何でもその曲はパル子ちゃん想い出の失恋ソングだったらしく、気付くと私にもたれかかりながら、涙ながらに熱唱しているではありませんか。
もうこうなれば、こっちのもの。優しく涙をハンカチでぬぐってあげて、失恋の痛手を慰める大人の男をさりげなく演出します。
彼女が言うには、最近彼氏に振られてしんどかったらしく、先日お店でラブソングばかり歌っていたのも、私への告白ではなく、失恋の辛さをごまかすための、彼女なりの憂さ晴らしだったそうです。
私の早とちりに自分でも恥ずかしくなりましたが、今目の前には、泣きながら私にもたれかかっている女性がいるわけですから、ここは迷わず押しの一手で攻めまくります。
その甲斐あって、そのままホテルで一戦交える事に成功!甘美で情熱的な一夜を過ごしました。
その後は、お店でも何事もなかったように接してくる彼女。そんな態度がまるで、「この間のことは誰にも言わないで…!」と言っているかのようで意地らしく、ますます好きになりそうで怖いなと思っていた矢先、事件は起きました。
一戦交えたことで私の中に、「彼女は俺の女」的な意識があったのかもしれません。お店でもそんな私のうぬぼれが、思いっきり態度に出ていたのでしょう。
先日LINEに突然、「迷惑なので、もうお店には来ないでください」との非情の通告が。どうやら彼女にとって、あの夜の後の私の態度や振る舞いは、相当ウザかったようです。
「年下の彼女ができる寸前だったのに…」
まさに、天国から地獄へ突き落とされた瞬間でした。これだけハッキリと女性に拒絶されては、もうお店には行けません。泣く泣く、彼女との関係は断念した次第です。
それにしても、突然くっついて来たり突然突き放したり、女心はつくづく不思議なものだと、改めて思い知らされました。
しかし、こんなことでめげていてもしょうがありません。今回の一件を通して、女心の不思議を多少は学んだはずだと、気持ちを切り替えました。
何より、仕事では味わえない生々しいゲーム感が最高!歌姫の名に恥じぬ、美しくも激しい声をベッドで上げてくれたパル子ちゃんとの思い出を胸に、これからも新たな出会いを求めて、ガールズバーを開拓するつもりです。