二十歳で発見!同月にリピーター化した僕
H.N/おもちセブン
僕は、人と群れるのが嫌いな内向的性格です。営業や接客業はどうしてもしたくないので、仕事は造園業を選びました。高校の時のバイトもキッチン・皿洗い担当など、コミュニケーションを形成する能力を一切磨いていなかったのですが、今の仕事は接客がないため苦しくありません。
平日は山間部での伐採作業で切った木を2tトラックに積むなど体力は使います。唯一きついのは、造園が体育会系でオラオラ系のノリがある点でしょうか。
現場に出る最高齢の40代上司の叱責が厳しくて、怒鳴られるのが続くとやっぱり凹みます。なので、最近は仕事から帰るとすぐに晩酌を始める形で、酒を飲まない日がなくなりました。
ある時、繁華街へ資材の調達に行って、軽トラを停め休憩をしていたのですが、近くを若いカップルが、いかにも今から飲みに行くといった雰囲気で通り過ぎていきました。
いいな、楽しそうだなと羨んでいたのですが、そういえば僕って飲み屋には居酒屋しか行ったことがないなと気がつきました。
二十歳になってからまだ10ヶ月程度なので当然なのですが、いつもと違うことをしてみたい気持ちになり、今回は居酒屋という選択肢はなくて、ほかには何が良さそうかを考える日が続きました。
汗臭い同僚とは嫌、群れたくないので1人で楽しめる場所、そんな僕が楽しめそうなのは何なのだろう。そう試行錯誤した結果、候補に挙がったのはガールズバーでした。僕の家から徒歩15分程度で行けるお店があったため迷わず行ってみることに。
お店は、可愛い黒レースのカーテンと白で統一した、どちらかというと居心地の良さを重視した、きらびやかさを削った空間でした。
可愛いギャル風の店員さんがすぐ声掛けしてくれましたが、女性免疫の低い僕はちょっと心臓がバクバク。そのままカウンターチェアに座り、飲み物をオーダーします。緊張をほぐすためまずは生ビールをオーダーしましたが、1杯がたったの500円というワンコイン価格に驚きました。
居酒屋と全然変わらないくらいで、コスパに優れていると喜んでいたら「お兄さん、ガールズバーは初めて?」と見透かす一言が。
コミュ障な性格と造園の仕事をしていることを言うと「チャラチャラした男よりもよっぽどそっちの方がいいよ」と元気良く返してくれました。
少し緊張も解けて話していると、僕についてくれているお姉さんの顔も見てトークができるようになりした。年を聞いてみると、23歳で僕よりも3つ上でした。
ファッションビルに勤務しているアパレルガール風の服装で、あからさまなキャバ嬢スタイルじゃないのが好印象でした。といっても露出は少し高めなので、ミニ丈のスカートから見える生脚は目の保養になります。
ちょっと小腹も空いたので、Uber Eatsでも取ろうかと思って聞いたら、なんとガールズバーにもかかわらず料理も提供できるとの言葉が。
炊き立てご飯と味噌汁がおかわり自由の日替わり定食がおすすめらしく、さっそく注文しました。味は食堂に毛が生えた程度だったけど、可愛いガールズバーの店員さんが作ってくれているので、美味さもどこかアップしたような嬉しい気分です。
定食を頬張り、飲み物が空になったので今度はカクテルのスクリュードライバーを注文。「100種類もドリンクメニューがあるから、お兄さんはもうここをBARと思って通いなよ」と言ってくれたお姉さん。
ご飯とBAR並のそろえがあるのと、女の子のレベルも高いわけだから、初なのにリピーターになると、お店を出る前から決めてしまいました。
そして2週間後にまたお姉さんが出勤している日に出向き、その日もガールズバーを楽しみました。
予算は45分で3,000円~5,000円なのですが、ドリンクを女の子にオーダーしてあげると上がる形でしょうか。それでも1回5,000円以下くらいで収まるのも魅力的なので、むしろキャバクラよりも勧めたい感じ。
そしてこの日はお姉さんが、また僕が来たことに対して大変喜んでくれました。理由を聞いてみましたが、酒癖が悪いサラリーマンが結構わずらわしいとの事。
カウンター越しだけとはいえ、ストレスが溜まるうえに追い出すまではできないのが辛いようでした。だからお酒をスマートに楽しむ僕は、安心できるみたいです。
「お兄さん、前に来た時よりも話が上手くなっているよ」と言ってくれて、ガールズバーがきっかけでコミュ障も解消できそうな気がしてきました。
でもこんな癒しのメッカが大人数で埋まってほしくないからネットで拡散もせず友達にも教えずにこのままこっそり通い続けようかと思います。